PDFを印刷すると端が切れる原因と対処|まず試す設定
PDFを印刷したら右端の文字が切れていた——この症状は、多くの場合は印刷ダイアログの設定ひとつで直ります。
まず試すのは「用紙に合わせる」です。それでも切れるなら、原因は3つのどれかに絞れます。この記事では、症状から原因を切り分けて対処するところまでを整理します。
まず試す:印刷ダイアログの「用紙に合わせる」
PDFを開いて印刷を選び、サイズやページ処理の項目で「用紙に合わせる」を選びます。ビューアによって名称が違い、「合わせる」「印刷可能領域に合わせる」「フィット」などと表示されます。
この設定は、PDFの中身を用紙に収まる大きさへ自動で縮小します。切れる相談のかなりの部分は、ここが「実際のサイズ」のままだったことが原因です。初期値はビューアやバージョンで変わります。以前は収まっていたのに急に切れるようになった場合も、まずここを確認してください。
それでも切れるなら、原因は3つに分かれます
どこがどう切れているかで、原因が判別できます。
| 切れ方 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 上下左右の端が数ミリだけ | プリンタの印刷可能領域 | 縮小するか、余白のある版で作り直す |
| 右側や下側が大きくはみ出す | PDFの用紙サイズと印刷用紙が違う | 用紙に合わせる/同じサイズの用紙で刷る |
| 画面で見た時点で既に切れている | PDFを作った時点で切れている | 作り方を変える(後述) |
原因1:プリンタには印刷できない縁がある
家庭用・オフィス用のプリンタの多くは、用紙の縁ぎりぎりまでは印刷できません。数ミリの余白が構造上必要で、この範囲にある文字は物理的に印刷されません。
PDF側が用紙いっぱいに作られていると、この縁の分だけ欠けます。対処は2つです。
- 印刷時に少し縮小する(95%前後)
- PDFを作る段階で余白を確保しておく
注意
「フチなし印刷」に対応したプリンタなら縁まで印刷できますが、対応は機種によります。また写真用途を想定した機能で、文書では選べないことがあります。手元の機種の対応状況は取扱説明書で確認してください。
原因2:PDFの用紙サイズが、印刷する用紙と違う
PDFにはそれぞれ用紙サイズの情報が入っています。A3で作られたPDFをA4に印刷すれば、そのままでは収まりません。
確認は、ビューアの文書のプロパティでページサイズを見ます。印刷する用紙と違っていれば、これが原因です。
対処は「用紙に合わせる」で縮小するか、同じサイズの用紙で印刷するかのどちらかです。縮小すると文字も小さくなるので、細かい表や注記が読めなくなることがあります。読ませる目的の資料では、用紙側を合わせるほうが確実です。
横向きのページが縦向きの用紙に割り当てられている場合も、同じ理由で切れます。向きの設定も併せて確認してください。
原因3:PDFを作った時点で、もう切れている
見落とされやすいのがこれです。印刷の問題ではなく、PDFを作る工程で既に欠けている状態です。
WebページをPDF化したときに起きやすく、横幅の広いページや表を含むページで右側が落ちます。判別は簡単で、印刷する前に画面でPDFを開いて右端まで表示されているかを見るだけです。
ここで切れていた場合、対処は作り直しになります。
- Chromeで作ったなら、余白と倍率の設定を変えて出し直す。手順はChromeでページをきれいに印刷・PDF化する設定にまとめました
- レイアウトそのものが崩れている場合は、原因が別にあります。WebをPDFにすると崩れる/文字化けする原因と解決法を参照してください
切れにくいPDFを最初から作る
作り直しが何度も発生するなら、作り方のほうを見直すほうが早く済みます。
Webページを印刷機能でPDF化する方式は、画面表示を用紙サイズに合わせて組み直します。このとき横幅が用紙に収まらないと、右側が落ちるか極端に縮小されます。長いページや段組みの多いページで起きやすい現象です。
保存方法ごとの違いはWebページをPDFで保存する方法に整理しました。
私が開発しているArchiveSealは、画面を印刷用に組み直すのではなく、ページのDOMから本文を組み立てて保存します。無料版ではA4に縮小した画像PDFの書き出しと個別のPDF出力ができ、複数アーカイブの連結や一括・A4分割でのPDF出力はPro版の機能です。なお、PDF化の方式や仕上がりは各ツールで考え方が異なるため、用途に合うものを選んでください。
どの順で確かめるか
- 画面でPDFを開き、右端まで表示されているかを見る(切れていれば原因3)
- 印刷ダイアログで「用紙に合わせる」を選ぶ
- 文書のプロパティでページサイズと向きを確認し、印刷用紙と揃える
- それでも端が数ミリ欠けるなら、プリンタの印刷可能領域なので縮小する
よくある質問
PDFを印刷すると右端が切れます。どうすればいいですか?
まず印刷ダイアログで「用紙に合わせる」を選んでください。名称はビューアによって「印刷可能領域に合わせる」「フィット」などと異なります。この設定が「実際のサイズ」のままだと、PDFの用紙サイズが印刷用紙より大きい場合にはみ出した部分が切れます。それでも直らない場合は、画面でPDFを開いて既に切れていないかを確認してください。
「用紙に合わせる」にしても端が数ミリ切れます。
プリンタの印刷可能領域が原因です。家庭用・オフィス用のプリンタの多くは用紙の縁ぎりぎりまで印刷できず、数ミリの余白が構造上必要になります。印刷時に95%前後へ縮小するか、PDFを作る段階で余白を確保してください。
以前は切れずに印刷できていたのに、急に切れるようになりました。
ビューアやブラウザの更新で印刷設定の初期値が変わることがあります。まず印刷ダイアログのサイズ・ページ処理の項目を開き、「用紙に合わせる」が選ばれているかを確認してください。設定が「実際のサイズ」に戻っていることがあります。
画面で見た時点でPDFの右側が切れています。
印刷ではなくPDFを作る工程で既に欠けています。この状態では印刷設定を変えても直らないので、作り直しが必要です。WebページをPDF化した場合は、余白と倍率の設定を変えて出し直すか、画面を組み直さない方式での保存を検討してください。
A3のPDFをA4に印刷すると切れます。
PDFの用紙サイズと印刷する用紙が違うためです。ビューアの文書のプロパティでページサイズを確認できます。「用紙に合わせる」で縮小して印刷するか、同じサイズの用紙で印刷してください。縮小すると文字も小さくなるため、細かい表を含む資料では用紙側を合わせるほうが読みやすくなります。
まとめ
PDFの印刷で端が切れるときは、まず画面で開いて既に切れていないかを確認してください。ここが分かれ道です。
- 画面で切れている → PDFを作る工程の問題。作り直す
- 画面では切れていない → 印刷ダイアログで「用紙に合わせる」を選ぶ
- それでも数ミリ欠ける → プリンタの印刷可能領域。縮小する
- 大きくはみ出す → PDFと印刷用紙のサイズ・向きが違う
設定から触り始める前に、原因がPDF側か印刷側かを1回の確認で分けておくと、手戻りがなくなります。
