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PDFが検索できない原因と対処法|5つを順に切り分ける

PDFを開いて Ctrl + F(Macは ⌘ + F)で語を入れても何も出てこない。画面には確かにその文字が見えているのに、検索は0件を返す——原因は1つではなく、大きく5つあります。

私はArchiveSealというWebページ保存用のChrome拡張機能を開発していて、この相談を受けます。厄介なのは、どの原因でも症状が「検索が効かない」の一言に見えてしまうことです。ここでは先に切り分けてから対処する順で整理します。

最初の30秒:文字を選択できるかを見る

対処を試す前に、これだけやってください。原因が2つのグループに分かれます。

  1. PDFを開く
  2. 検索したい語が載っている本文の文字をドラッグする
  3. 文字が反転して選択できるか / 四角い範囲の枠だけが出るかを見る

選択できないなら「PDFに文字データが無い」、選択できるのに検索できないなら「文字データはあるが届いていない」です。この2つは対処がまったく違うため、ここを飛ばすと見当違いの作業に時間を使うことになります。

判定該当する原因向かう先
選択できない原因1(画像だけのPDF)次の章
選択できる原因2〜5その次の章

なお、選択できない場合でも、画像ではなく後述のセキュリティ設定(原因3)が理由のことがあります。まず画像かどうかを疑い、当てはまらなければ原因3を確認してください。

選択できない場合:原因1・PDFの中身が画像になっている

最も多い原因です。ページ全体が1枚の絵として入っているため、目に見えている文字はデータとしては存在しません。存在しないものは検索できません。

このかたちのPDFは、主に次の作られ方で生まれます。

  • 紙をスキャンした:複合機やスキャナアプリの出力は、設定によっては画像だけになります
  • スクリーンショットを貼ってPDFにした:画面を撮った時点で画像なので、PDFにしても中身は画像のままです
  • 保存ツールが画面を撮る方式だった:ページを画像として取得してPDFにするタイプは、この結果になります

対処

画像から文字を読み取る処理(OCR)をかけるのが正攻法です。専用のソフトやサービスが対応しており、精度は元画像の解像度・字体・傾きに左右されます。読み取り結果は必ずしも正確ではないため、重要な語は目視で確認してください。なお、私が開発しているArchiveSealはこの読み取り処理には対応していません。

もう一つは、元の資料が手元にあるなら作り直すことです。Webページなら、画面を撮る方式を経由せずページから直接PDFにすれば、最初から文字データを持ったPDFになります。手順はWebページをPDFで保存する方法にまとめました。スクリーンショット経由で作ったPDFが検索できないのは仕様どおりの結果で、変換手順を見直しても解決しません(この違いはスクショをPDFに変換する方法でも触れています)。

選択できる場合:原因2〜5を順に見る

文字は選択できるのに検索がヒットしないときは、原因が4つ考えられます。症状の出方が違うので、当てはまるものから確認してください。

原因2:一部の語だけヒットしない(フォント・文字コード)

全部ではなく特定の語だけが引っかからない場合は、これが疑わしいです。PDF内で文字とコードの対応がうまく持てていないと、見た目は正しく表示されていても、検索の照合に使う情報が欠けたりずれたりします。旧字体・機種依存文字・記号・特殊な字体で起きやすい現象です。

見分け方:その語をコピーして、メモ帳などに貼ってみてください。貼った結果が化ける・空になる・別の文字になるなら、この原因です。

対処:PDFを作り直すのが確実です。作成元のアプリで、フォントを埋め込む設定にして出力し直します。作り直せない場合は、化ける語を避けて前後の語で検索すると目的の箇所には辿り着けます。関連する症状はWebページをPDF保存すると文字化けする原因と対処法に整理しました。

原因3:セキュリティ設定で制限されている

配布資料や社外から受け取ったPDFで起こります。PDFには、印刷やコピー(テキストの抽出)を制限する設定があり、これがかかっているとビューアによっては検索や選択が効かなくなります。

見分け方:ビューアの文書のプロパティで、セキュリティやアクセス権の項目を確認します。「許可されていない」といった表示があれば該当します。

制限は作成者が意図してかけたものです。解除して回避する方法を探すのではなく、作成者に検索可能な版を依頼するのが筋の通った対処です。

原因4:ビューア側で止まっている

ファイルには問題がなく、開いているアプリの側で検索が働いていないことがあります。大きなファイルで読み込みが終わる前に検索した、表示が一時的に壊れている、といったケースです。

対処:次の順に試してください。

  1. 一度閉じて開き直す:アプリごと終了せず、ファイルを閉じてから開き直すだけで直ることがあります
  2. 別のビューアで開く:ブラウザに入っているPDFビューアなど、別のアプリで同じファイルを開いて検索します。ここで検索できるなら、ファイルではなくアプリ側の問題だと確定します
  3. アプリを更新する:バージョンが古い場合は更新します

「別のビューアで開いて検索できるか」を試すと、ファイルの問題かアプリの問題かがその場で確定します。切り分けとして最も費用対効果が高い一手です。

原因5:検索語の入力が合っていない

意外に多く、そして最も簡単に直るものです。

  • 全角と半角PDFPDF、数字の 20262026 は別の文字として扱われます
  • スペースの有無:語の間の空白が全角か半角か、そもそも入っているかで一致しなくなります
  • 改行やハイフンでの分断:本文中で行をまたいでいる語は、途中で分かれている場合があります。短く区切って検索してください
  • 異体字:「髙」と「高」、「﨑」と「崎」などは別の文字です

対処:まず検索語を短くします。長い語句を一度に入れず、確実に含まれている3〜4文字だけで試すと、どこで一致しなくなっているかが分かります。

原因別の早見表

症状主な原因最初にやること
文字を選択できない画像だけのPDFOCRをかける/元の資料から作り直す
特定の語だけヒットしないフォント・文字コードその語をコピーして化けるか確認
選択もコピーもできないセキュリティ設定文書のプロパティで権限を確認
別のビューアなら検索できるビューア側開き直す/アプリを更新する
語を短くすると見つかる検索語の入力全角半角・改行での分断を確認

それでも見つからないとき

上の5つを試して解決しない場合、そもそもその語がPDFに入っていない可能性を検討してください。似た資料と取り違えている、目的の語が図版の中に書かれている(=画像なので検索対象外)、といったことがあります。

ページ内の図や表に書かれた文字は、本文が検索できるPDFであっても検索できません。この場合は該当しそうなページを目視で追うほうが早く済みます。

同じことを繰り返さないために

ここが、対処法よりも重要な点です。検索できるかどうかは、探す段階ではなく残す段階で決まっています

原因1(画像だけのPDF)は全体のかなりの部分を占めますが、これは保存した時点で確定してしまう性質のものです。あとから直すにはOCRという手間のかかる工程が必要になります。

あとで本文を探すと分かっているものは、最初から文字データを持つ方式で残してください。

  • 見た目を残したいだけ → 画像・画像PDFで十分
  • あとで本文を探す・引用する → 画面を撮る方式ではなく、ページの中身を取り出す方式を選ぶ

検索の仕組みそのものと、できるPDF・できないPDFの違いはPDFの文字検索のやり方に、保存方式ごとの違いはWebページ保存ツールの比較・選び方に整理しています。PDF化の際にレイアウトが崩れる問題はWebをPDFにすると崩れる/文字化けする原因と解決法を参照してください。

なお、PDFのテキスト検索への対応は各ツールの有料版で提供されることが多く、特定の製品に固有のものではありません。仕様は更新されるため、最新の対応状況は各公式でご確認ください。

ArchiveSealでの扱い

私が開発しているArchiveSealは、画面のスクリーンショットではなくページのDOMから本文を組み立てて保存します。

無料版でできるのは、アーカイブの保存(件数の上限なし)、ページ全体を画像として保存、A4に縮小した画像PDFの書き出し、個別のPDF出力、グループでの整理です。無料版で書き出すPDFは画像として保存されるため、文字検索の対象にはなりません(上の原因1に当たります)。

本文・構造化データの閲覧とJSON書き出し、複数アーカイブの連結・一括・A4分割PDF出力、そしてPDFのテキスト検索への対応はPro版の機能です。Pro版で出力したPDFは、PDFビューアの検索機能で本文を探せます。画像から文字を読み取るOCRの機能は備えていないため、既に画像になっているPDFを検索できるようにすることはできません。

よくある質問

PDFで文字検索ができないのはなぜですか?

原因は大きく5つあります。①PDFの中身が画像でテキストデータが無い ②フォントや文字コードの問題で一部の語だけ一致しない ③セキュリティ設定でテキストの抽出が制限されている ④ビューア側で検索が働いていない ⑤検索語の全角半角や改行での分断。まず本文の文字をドラッグして選択できるかを見ると、①かそれ以外かに分かれます。

文字は見えているのに選択もコピーもできません。

ページ全体が画像として保存されているか、セキュリティ設定でテキストの抽出が制限されているかのどちらかです。文書のプロパティでセキュリティやアクセス権の項目を確認し、制限がかかっていなければ画像PDFだと判断できます。制限がかかっている場合は、作成者に検索可能な版を依頼してください。

一部の言葉だけが検索でヒットしません。

フォントの埋め込みや文字コードの対応に問題がある可能性が高いです。その語をコピーしてメモ帳などに貼り、化ける・空になる・別の文字になるようなら該当します。作成元のアプリでフォントを埋め込む設定にしてPDFを作り直すのが確実です。旧字体や機種依存文字で起きやすい現象です。

画像になっているPDFを検索できるようにする方法はありますか?

画像から文字を読み取る処理(OCR)に対応したソフトやサービスを使えば可能です。精度は元画像の解像度や字体に左右されるため、重要な語は目視での確認が必要です。元の資料が手元にある場合は、画像を経由しない方法でPDFを作り直すほうが確実です。

ArchiveSealで保存したPDFが検索できません。

無料版で書き出すPDFは画像として保存されるため、文字検索の対象になりません。設定の問題ではなくプランによる違いです。PDFのテキスト検索への対応はPro版の機能で、Pro版で出力したPDFはPDFビューアの検索機能で本文を探せます。なお画像から文字を読み取るOCRの機能は備えていません。

まとめ

PDFが検索できないときは、対処を試す前に本文の文字をドラッグして選択できるかを見てください。ここで原因が2つのグループに分かれ、以降の手順が決まります。

  • 選択できない → 中身が画像。OCRをかけるか、元の資料から作り直す
  • 選択できる → フォント・文字コード/セキュリティ設定/ビューア側/検索語の入力の順に確認する

そして最も効くのは、検索できるかどうかが残す段階で決まっていると知っておくことです。あとで本文を探す予定があるものは、画面を撮る方式ではなく、ページの中身を取り出す方式で保存しておいてください。