Wayback Machineの使い方|過去のページを見る・今のページを残す
Wayback Machineは、非営利団体Internet Archiveが運営している過去のWebページを閲覧できるサービスです。「インターネットアーカイブ」と呼ばれることもありますが、そのなかの機能のひとつがWayback Machineだと考えてください。
私はArchiveSealというWebページ保存用のChrome拡張機能を開発していて、「消えたページを後から見たい」という相談をよく受けます。ここでは使い方を手順で示したあと、この方法で確実に見られるとは限らない理由まで書きます。そこが実務では一番効いてきます。
過去のページを見る手順
https://web.archive.org/を開く- 検索欄に調べたいURLを入力する
- 年ごとの棒グラフが出るので、見たい年をクリックする
- カレンダーが開き、色が付いた日付が保存されている日なので、そこをクリックする
保存された日のページがそのまま表示されます。当時のリンクをたどると、その時期の別ページへ移動できることもあります。
カレンダーで色が付いていない日は、保存されていません。あとから遡って作ることはできないので、その日のページは基本的に手に入りません。
今のページを残す手順
Wayback Machineは閲覧専用ではなく、自分で保存を依頼できます。
https://web.archive.org/save/を開く- 保存したいURLを入力する
- 「Save Page Now」を実行する
処理が終わると、その時点のスナップショットが作られ、固有のURLで参照できるようになります。
ただし、すべてのページが保存できるわけではありません。ログインが必要なページ、サイト側がアーカイブを拒否している場合、動的に読み込まれる部分などは、うまく残らないことがあります。
見つからないとき、何が起きているのか
ここがこの記事の本題です。Wayback Machineに目的のページが無いとき、原因はだいたい次のどれかです。
| 状況 | 何が起きているか |
|---|---|
| 一度も保存されていない | クローラーが巡回してこなかった。個人サイトや下層ページで多い |
| 保存はあるが日付が飛んでいる | 巡回の間隔が空いた。欲しい日の前後しか無い |
| 表示が崩れている | 当時のCSSや画像が一緒に保存されていない |
| ページはあるが中身が違う | 動的に読み込む部分が保存されず、枠だけ残っている |
| サイト側が拒否している | 公開を止める申し出などにより表示されない |
Wayback Machineの収集は機械的な巡回に依存しています。アクセスの多いサイトほど頻繁に、少ないサイトほどまばらにしか保存されません。つまり「あとで見返したいページが保存されているか」は、事前に確かめようがなく、必要になったときに初めて分かります。
「運任せ」を減らす2つの方法
保存ツールを作っている立場から言うと、対処はこの2つに分かれます。
1. 必要だと分かった時点で Save Page Now を実行する
見つけたときに自分で保存を依頼しておけば、少なくともその時点は残ります。無料で、手元の容量も使いません。第三者のサーバー上に公開URLとして残るので、他人に示すのにも向きます。
2. 手元にも残しておく
第三者のサービスに置いた記録は、サービス側の都合に左右されます。アクセスできない時間帯があったり、方針が変わったりすることもあります。手元のファイルはそれとは独立して残ります。
考え方の整理はWebページをアーカイブ/魚拓で残す方法に、日本で使われている魚拓サービスの手順はウェブ魚拓の使い方と代替手段【残す・調べる】にまとめました。
どちらか一方ではなく、用途で使い分けるか、両方に残すかです。後から人に見せる必要があるなら第三者記録、自分の作業で使うなら手元保存、という切り分けが実務的です。
手元に残す場合の選び方
ページを手元に残す方法はいくつかあり、あとで何をしたいかで変わります。
- 見た目のまま残したい:PDFや画像で保存する
- 本文を検索・引用したい:文字がデータとして残る形で保存する
- サイト全体を回遊したい:まとめて保存する。手順はサイトを丸ごとオフライン保存する方法にあります
方法ごとの向き不向きはWebページを保存する方法の決定版で比較しています。
なお、記録の使いみちが紛争や手続きに関わる場合、その記録がどう扱われるかは技術の話ではありません。判断が必要な場面では弁護士等の専門家に相談してください。
よくある質問
Wayback Machineの使い方を教えてください。
web.archive.org を開き、検索欄に調べたいURLを入力します。年ごとの棒グラフが表示されるので見たい年を選ぶと、カレンダーで色が付いた日付が保存されている日です。その日付をクリックすると当時のページが表示されます。今のページを残したい場合は web.archive.org/save/ からURLを入力して保存を依頼します。
インターネットアーカイブとWayback Machineは別物ですか?
Internet Archiveは非営利団体そのもの、またはその提供するアーカイブ全体を指し、Wayback Machineはそのなかで過去のWebページを閲覧できる機能を指します。日本語では両方をまとめて「インターネットアーカイブ」と呼ぶことも多く、日常的にはほぼ同じ意味で使われています。
見たいページが保存されていませんでした。あとから作れますか?
作れません。過去の状態は、その時点で誰かが保存していなければ残りません。Wayback Machineの収集は機械的な巡回に依存しており、アクセスの少ないサイトや下層ページはまばらにしか保存されないためです。今後必要になりそうなページは、見つけた時点で保存を依頼しておくか、手元にも残しておくことが対処になります。
表示が崩れていたり、中身が空だったりするのはなぜですか?
当時のCSSや画像が一緒に保存されていない場合、レイアウトだけが崩れて表示されます。また、ページを開いたあとに読み込まれる部分は保存されないことがあり、枠だけが残って中身が空に見えることがあります。いずれもアーカイブ側の収集の限界によるもので、閲覧側の設定では直せません。
手元にも保存しておくべきですか?
用途によります。他人に示す必要があるなら、第三者のサーバーに公開URLとして残る形が向いています。一方で第三者のサービスはアクセスできない時間帯や方針変更の影響を受けるため、自分の作業で使う記録は手元にも持っておくと独立して残せます。両方に残す運用も現実的です。
まとめ
- 過去を見るときはURL入力→年→カレンダーの色が付いた日。色が無い日は保存されていない
- 今を残すときは Save Page Now。ログインが必要なページなどは残らないことがある
- 見つからない原因はほぼ巡回の有無。あとから遡って作ることはできない
- つまり保存されているかどうかは自分では決められない。これがこの手段の構造的な限界
- 必要なページは見つけた時点で保存を依頼し、自分の作業で使うものは手元にも残す
「あとで見ればいい」が通用しないのは、消えるからではなく、保存されていたかどうかを後から選べないからです。
